会長挨拶 2017年07月14日
中大法曹会の拡充と発展をめざして
幹事長 大 谷 隼 夫
1 ご挨拶
私は、平成29年5月24日の中央大学法曹会総会において平成29年度、30年度の幹事長に選任されました。
昭和26年(1951年)発足以来、輝かしい伝統と実績を誇るわが法曹会の幹事長職は、私にとりまして身に余る重責でありますが、副幹事長、事務局長らをはじめとする執行部の方々と力を合わせ、会員諸兄姉からのご支援を得つつ、任期を全うしたいと存じております。
また、私がこれまで務めてきました法曹会の副幹事長、委員長等の経験や中央大学評議員、学員会副会長等の体験を通して学び感得したところを少しでも法曹会のさらなる拡充、発展に反映できるよう頑張りたいと存じます。
2 法曹会の幅広い活動
(1)わが法曹会の目的は、会則第2条に「会員相互の親睦をはかり、学校法人中央大学(以下「中央大学」という。)の興隆と司法の発展、法曹の向上、法学の進歩に寄与することを目的とする。」と記され、第3条に「本会は、前条の目的を達成するために、次の事業を行う。 一 中央大学の健全な運営に協力し、意見を具申すること 二 会報及び名簿の発行 三 研究会、講演会及び座談会の開催 四 その他必要と認める事業」と記されています。
法曹会は、この掲げた高い目的を実現するためにこれまで様々な活動をしてきました。
(2)すなわち、大学、学員会との関係では大学の理事、監事ら役員、評議員、商議員、あるいは学員会の会長、副会長、幹事等の選出にあたり法曹会員からの推せん、法学部、法科大学院への実務家教員の輩出、エクスターンシップ制度、リーガル・クリニック制度への協力、優秀な学生に対する法曹会奨学金の給付、中大出身の司法修習生に対する就職支援活動、各種募金活動への協力等があります。
また大学問題委員会において大学運営の実状を調査検討し、その結果をとりまとめて法曹会として忌憚のない意見を大学に具申してきました。
(3)法曹会員同士の親睦を深め、相互交流を活発化するために、かつて首都圏のみであった活動を全国に広げるべく、平成11年12月創立の札幌支部を皮切りに法曹会の地域支部作りが各地で展開されてきました。会員同士の活動により、支部内部で親睦を深めるとともに本部と支部との交流、支部相互の交流も行われています。
(4)諸活動の中には、わが法曹会員の中から現役で活躍中の判、検事、得意な専門分野を持つ弁護士らを招いての講演会、パネルディスカッション、実務修習中の司法修習生を集めての懇談会、現役学生を対象とする法廷見学、ホームカミングデーに於ける無料法律相談会等々があります。
(5)さらに、南甲倶楽部など学員会の有力支部との意見交換会を開いてきたほか、交流委員会を中心に隣接士業と交流することでそれぞれの業務を相互に理解し、協力協調関係を築いていく取組を進めてきました。
隣接士業として、これまで司法書士、税理士、社会保険労務士、行政書士、技術士との会と交流を重ね、前年度からは不動産鑑定士の会とも交流が開始されています。
3 これからの重点目標
このように法曹会の活動は多方面にわたって展開されています。
その活動をこれから一層拡充、発展して行くにあたり、私は、次の3つを重点目標にしたいと考えています。
(1)組織の強化と大学支援
法曹会の活動範囲が広がるにつれ、より多くの有能な会員に実働部隊の一員として加わっていただく必要があります。
また、大学、学員会の各分野に法曹会から自信をもって推挙できる会員を確保しておかなければなりません。
大学は、平成28年度(2016年度)から取組むべき課題として教育組織の改編・創設、キャンパス整備等を柱とする10年間の中長期計画を発表し、その実現に向けておりますが、とりわけ法学部の都心回帰、法科大学院の新校舎建設に向け奮闘の直中にあります。法曹会としては、これをただ見守るばかりでなく、必要とあれば何時でもバックアップできるだけの体勢にあるべきと考えます。
ベテランから若手まで、これまで法曹会の組織活動に従事されてこなかった会員の中にも優秀な方は数多くおられます。それらの方々に先ずは幹事に加わっていただきたいと思いますので、お声掛けしましたときは是非ご協力をお願い致します。
(2)広報活動の徹底
法曹会の活動が前述のとおり広範囲にわたり、大学や学員会の運営に大きな影響力を発揮していることが一般の会員にはこれまで余り知られてなかったのではないかと思います。
法曹会の活動を一般会員に知らせる手段としては、長年の間一年おきに交互に発行される会報「中大法曹」と「中大法曹ニュース」だけで、ようやく前執行部によりホームページが開設されました。
会報の紙面には限りがあり、これに1年間の諸活動を詳しく載せることはとても無理です。それに若年層には紙媒体離れの傾向がみられます。ホームページを開設したことによって、会員の皆様により詳しい情報を早くお届けできるようになりましたが、さらにメール送信による情報発信も実現したいと思います。
しかし、年齢が高くなるに連れ、パソコン、スマホになじめない会員が増える傾向にあるようで、FAX送信によることも考えています。
加えて、今のホームページはパソコン画面向けで、スマホやタブレット端末では見にくい難点があり、これは早急に改善することにします。
(3)グローバル化社会に対応できる法曹の育成
21世紀に入り、国境を越えた人の往来、物資の流れは急速に増加し、今や特に経済、社会の面では国境のないボーダレスの時代となりつつあり、それに伴い日本社会も国際化(グローバル化)が進みつつあります。
これは企業の海外進出や貿易取引の増加ばかりを指すことではなく、日本国内に在住して働く外国人の増加を意味し、そのことは同時に様々な外国人のものの考え方、文化、習慣がもたらされ、我々日本社会の構造や文化、習慣を変化させることにもなるのです。
このようにグローバル化する日本の社会においては、語学力と国際感覚を身につけた法曹の需要が、いわゆる渉外の分野にとどまらず、国内の様々な事件を扱う分野にも広がりつつあると言えましょう。
中央大学においては、グローバル化に向けての取組みが真剣になされていると聞いております。
幸いわが法曹会には国際的に活躍されている会員が多くおられるので、その先生方には以前にも増して大学のカリキュラムに協力していただくことに加え、法曹会独自の講演会、セミナーなどを企画し、グローバル化社会に対応できるこれからの法曹の育成を支援して行きたいと考えております。
4 むすび
明日の中大法曹会をめざして、いろいろと述べましたが、語るだけでは意味がありません。皆様のご支援を得ながら、一つ一つ着実に実行に移したいと存じますので、叱咤激励の程をよろしくお願いいたします。
幹事長 大 谷 隼 夫
1 ご挨拶
私は、平成29年5月24日の中央大学法曹会総会において平成29年度、30年度の幹事長に選任されました。
昭和26年(1951年)発足以来、輝かしい伝統と実績を誇るわが法曹会の幹事長職は、私にとりまして身に余る重責でありますが、副幹事長、事務局長らをはじめとする執行部の方々と力を合わせ、会員諸兄姉からのご支援を得つつ、任期を全うしたいと存じております。
また、私がこれまで務めてきました法曹会の副幹事長、委員長等の経験や中央大学評議員、学員会副会長等の体験を通して学び感得したところを少しでも法曹会のさらなる拡充、発展に反映できるよう頑張りたいと存じます。
2 法曹会の幅広い活動
(1)わが法曹会の目的は、会則第2条に「会員相互の親睦をはかり、学校法人中央大学(以下「中央大学」という。)の興隆と司法の発展、法曹の向上、法学の進歩に寄与することを目的とする。」と記され、第3条に「本会は、前条の目的を達成するために、次の事業を行う。 一 中央大学の健全な運営に協力し、意見を具申すること 二 会報及び名簿の発行 三 研究会、講演会及び座談会の開催 四 その他必要と認める事業」と記されています。
法曹会は、この掲げた高い目的を実現するためにこれまで様々な活動をしてきました。
(2)すなわち、大学、学員会との関係では大学の理事、監事ら役員、評議員、商議員、あるいは学員会の会長、副会長、幹事等の選出にあたり法曹会員からの推せん、法学部、法科大学院への実務家教員の輩出、エクスターンシップ制度、リーガル・クリニック制度への協力、優秀な学生に対する法曹会奨学金の給付、中大出身の司法修習生に対する就職支援活動、各種募金活動への協力等があります。
また大学問題委員会において大学運営の実状を調査検討し、その結果をとりまとめて法曹会として忌憚のない意見を大学に具申してきました。
(3)法曹会員同士の親睦を深め、相互交流を活発化するために、かつて首都圏のみであった活動を全国に広げるべく、平成11年12月創立の札幌支部を皮切りに法曹会の地域支部作りが各地で展開されてきました。会員同士の活動により、支部内部で親睦を深めるとともに本部と支部との交流、支部相互の交流も行われています。
(4)諸活動の中には、わが法曹会員の中から現役で活躍中の判、検事、得意な専門分野を持つ弁護士らを招いての講演会、パネルディスカッション、実務修習中の司法修習生を集めての懇談会、現役学生を対象とする法廷見学、ホームカミングデーに於ける無料法律相談会等々があります。
(5)さらに、南甲倶楽部など学員会の有力支部との意見交換会を開いてきたほか、交流委員会を中心に隣接士業と交流することでそれぞれの業務を相互に理解し、協力協調関係を築いていく取組を進めてきました。
隣接士業として、これまで司法書士、税理士、社会保険労務士、行政書士、技術士との会と交流を重ね、前年度からは不動産鑑定士の会とも交流が開始されています。
3 これからの重点目標
このように法曹会の活動は多方面にわたって展開されています。
その活動をこれから一層拡充、発展して行くにあたり、私は、次の3つを重点目標にしたいと考えています。
(1)組織の強化と大学支援
法曹会の活動範囲が広がるにつれ、より多くの有能な会員に実働部隊の一員として加わっていただく必要があります。
また、大学、学員会の各分野に法曹会から自信をもって推挙できる会員を確保しておかなければなりません。
大学は、平成28年度(2016年度)から取組むべき課題として教育組織の改編・創設、キャンパス整備等を柱とする10年間の中長期計画を発表し、その実現に向けておりますが、とりわけ法学部の都心回帰、法科大学院の新校舎建設に向け奮闘の直中にあります。法曹会としては、これをただ見守るばかりでなく、必要とあれば何時でもバックアップできるだけの体勢にあるべきと考えます。
ベテランから若手まで、これまで法曹会の組織活動に従事されてこなかった会員の中にも優秀な方は数多くおられます。それらの方々に先ずは幹事に加わっていただきたいと思いますので、お声掛けしましたときは是非ご協力をお願い致します。
(2)広報活動の徹底
法曹会の活動が前述のとおり広範囲にわたり、大学や学員会の運営に大きな影響力を発揮していることが一般の会員にはこれまで余り知られてなかったのではないかと思います。
法曹会の活動を一般会員に知らせる手段としては、長年の間一年おきに交互に発行される会報「中大法曹」と「中大法曹ニュース」だけで、ようやく前執行部によりホームページが開設されました。
会報の紙面には限りがあり、これに1年間の諸活動を詳しく載せることはとても無理です。それに若年層には紙媒体離れの傾向がみられます。ホームページを開設したことによって、会員の皆様により詳しい情報を早くお届けできるようになりましたが、さらにメール送信による情報発信も実現したいと思います。
しかし、年齢が高くなるに連れ、パソコン、スマホになじめない会員が増える傾向にあるようで、FAX送信によることも考えています。
加えて、今のホームページはパソコン画面向けで、スマホやタブレット端末では見にくい難点があり、これは早急に改善することにします。
(3)グローバル化社会に対応できる法曹の育成
21世紀に入り、国境を越えた人の往来、物資の流れは急速に増加し、今や特に経済、社会の面では国境のないボーダレスの時代となりつつあり、それに伴い日本社会も国際化(グローバル化)が進みつつあります。
これは企業の海外進出や貿易取引の増加ばかりを指すことではなく、日本国内に在住して働く外国人の増加を意味し、そのことは同時に様々な外国人のものの考え方、文化、習慣がもたらされ、我々日本社会の構造や文化、習慣を変化させることにもなるのです。
このようにグローバル化する日本の社会においては、語学力と国際感覚を身につけた法曹の需要が、いわゆる渉外の分野にとどまらず、国内の様々な事件を扱う分野にも広がりつつあると言えましょう。
中央大学においては、グローバル化に向けての取組みが真剣になされていると聞いております。
幸いわが法曹会には国際的に活躍されている会員が多くおられるので、その先生方には以前にも増して大学のカリキュラムに協力していただくことに加え、法曹会独自の講演会、セミナーなどを企画し、グローバル化社会に対応できるこれからの法曹の育成を支援して行きたいと考えております。
4 むすび
明日の中大法曹会をめざして、いろいろと述べましたが、語るだけでは意味がありません。皆様のご支援を得ながら、一つ一つ着実に実行に移したいと存じますので、叱咤激励の程をよろしくお願いいたします。